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   雑学・雑話の部屋
     16歳の夏

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投稿者 スレッド
monoru
投稿日時: 2009-10-21 10:04
管理人
登録日: 2008-4-5
居住地:
投稿: 9
16歳の夏
1963年(昭和38年)の夏、私は高校1年生でした。

郷里の山形県上山市の家から、書置きを残し、夜中に取得したばかりの原付免許証を胸に、バイクにまたがり無謀な一人旅に出発したのでした。

この文章は、その当時の体験記を夏休みの宿題として提出したものが学校の文集に載ってしまい、当時は学内で話題になったのです。

それが数十年ぶりに先日押入れの中から発見され、読み返してみたら当時の年齢に戻ってしまい、思わず涙が流れてしまったのでした。

そんなことから、皆さんにも読んでもらえたらという思いもあり、稚拙な文章ですが、このスペースをお借りしました。


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「一人ぼちの旅行-5」



(写真は、事故現場の道路と、46年前の芦ノ湖畔の元箱根の町)

【またまた計画変更す】
8月3日(土)今日は昨日のような天気ではないがまあまあの天気である。
ところで、東京を通って静岡県を目指す計画だったのだが、もう大都市を通り抜けるのに疲れ果てていた僕は、今日になってコース変更を決意した。
それは千葉県の金谷から出ているフェリーボートに乗って、神奈川県三浦半島の久里浜に渡るというものだった。
この方が金もかからないのじゃないか、という思いもあった。

家に二度目の手紙を出してから、午後1時発のフェリーボートに400円払って乗った。東京湾を横切るフェリーボートである。
船の中には大きなトラックやバスの間に挟まって、僕の相棒のバイクがポツンと置かれたいた。
海の向こうに、伊豆大島がかすかに見えた。
乗って間もなく神奈川県の久里浜に着いた。
フェリーを降りてから、横須賀に向かい、そこから鎌倉を通り、有料道路である湘南道路を10円払って走った。

江ノ島辺りに来ると、空はすっかり曇ってしまい、海から吹いてくる潮風は僕の心に冷たくあたった。
今日の宿泊予定地は伊豆半島の南伊豆である。
空の曇り空に呼応して、海の色も鉛色をしてうねっていた。
加山雄三のあの明るい湘南海岸をイメージしていた僕は落胆しながら走った。
それに体の疲れがとれてないのか、ひどいだるさと眠気が起こっていた。
小田原を過ぎ熱海の辺りに来ると、体がひーひーいい出した。
もう倒れこみたい心境だった。
こんな状態では伊豆半島の先端の予定地にはとうてい行けそうにないと思った。
そこで、熱海の街中で、近くにキャンプ場がないかどうかを聞いた。
10キロほど先にキャンプ場があるという。
僕はハアハアと息を荒げながら、そのキャンプ場へと向かった。
思えば、今日は朝に15円のあんパンを1個食べただけだった。
ケツも痛い。
疲れてはいても、よくもこんなところまで一人で来たなあと、自分で自分を見直した。

しばらく走った後に、海岸端に緑の芝生が生えている小さなキャンプ場が眼に入った。
そこにバイクを乗り入れ、「テントを建てさせてください」といったら50円だという。もう動きたくない僕は50円を払い、担当者の後ろを付いていき、いわれた場所に力を振りしぼってやっとの思いでテントを建てた。
もうすぐにでも眠りたいと思った。
でも腹がすいたまま寝て、明日の朝起きられないというような事になりたくなかったので、飯ごうで米を炊いたが、海から吹いてくる風のせいかなかなか火が燃え上がらない。
燃料缶2個を使ってやっと飯ができた。
旅行に来てから初めて自分で炊いた飯だった。
思ったよりうまく炊けたので、嬉しかった。
飯の後、夜の9時頃に、キャンプ場にある露天風呂に入って体を洗った。
昨日の富津キャンプ場と違って、ここの海辺のキャンプ場は静かだった。
露天風呂もひとりなので貸切状態である。
僕は手足を伸ばしながら、ぼんやりと空にかすむ月を眺めた。
キャンプ場は岩場に設けられていて、露天風呂からも下の方には海も見える。

露天風呂から出て、寝床に着いたのが10時だった。
寝床とはいってもシュラフという寝袋である。
その寝袋の中で、上山を出てから初めて僕は泣いた。
家のこと、家族のことを思うと悲しくなったのだった。
それに疲れもあったのだろうか、大きな声で泣いた。
泣くだけ泣くと、気持ちがスカッとしてきたのが分かった。
いつしかそのまま眠ってしまった。
(次号へ)
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